私の書斎は直径50センチ

「それにしても、どうしてこんなに散らかるの?」毎朝、夫と子供を送り出したあと、お決まりのため息。床には散在したおもちゃや新聞、朝食のご飯粒。でも、これを片付けて、掃除をすれば、おいしいお茶と、読みかけのミステリーが待っている。

私の書斎はリビングの丸テーブル。直径50センチの埋もれてしまうような書斎だけど、この家での私だけの空間。きっと家族のだれも気づいていないけれど、わたしはここから、色々なところへ旅をする。今日は、北海道が舞台の警察小説。初秋の北海道は、もう風も冷たかろう。上着は薄手のトレンチではもう遅いかしら。ウールを着るには9月だし。何年も訪れていない、北の大地に思いを馳せる。本の主人公は、くたびれた中年の刑事。雨に濡れたり、食事にありつけず、コンビニのおにぎりを恋しく思ったり。「おにぎりぐらい、炊きたてのご飯で作ってあげるよ。」そう思いながら、ふと我に返る。
お昼ご飯はおにぎりでいいか。自分ひとりの昼ご飯に、米は炊かない。冷凍庫の残り物で十分。壁一面本棚に囲まれた書斎はないけれど、でも、わたしには、この丸テーブルの書斎があるもの。米を研ぐより、本を開きたい。

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